梅雨の季節になると、お花屋さんの店頭に色とりどりの紫陽花が並ぶのを目にする機会が増えます。しかし、紫陽花は他の花と比べて水落ちしやすく、長持ちさせるのが難しい花として知られています。今回は、そんな紫陽花の切り花をできるだけ長く楽しむためのポイントをご紹介します。
茎の切り方:最初のステップはここから
紫陽花の切り花を長持ちさせるための第一歩は、茎の切り方にあります。まず、茎を斜めに鋭角にカットします。これは、茎の断面積を広げ、水の吸収をより効率的にするためです。断面が広ければ広いほど、花が吸い上げる水の量が増えます。また、斜めに切ることで、茎の導管が潰れにくくなり、水の吸い上げがスムーズになります。
さらに、切り口にある「白い綿」のような部分をハサミでかき出すことも重要です。これにより、導管が塞がれるのを防ぎ、水の吸い上げがさらに改善されます。ハサミを使う際は、手元をしっかりと確認しながら作業してください。
葉の取り除き方:腐敗を防ぐ
次に、花瓶に紫陽花を入れる際、水に浸かる部分の葉を取り除きましょう。葉が水に浸かっていると、腐りやすくなり、雑菌が繁殖しやすくなります。その結果、水が汚れやすくなり、花が早く萎れる原因となります。
また、葉から水分が蒸発することで、全体的な水分量が減り、茎から大量の水を吸い上げる必要が出てきます。これが、紫陽花が早く萎れてしまう原因の一つです。適切に葉を取り除くことで、花が必要とする水分量を調整し、長持ちさせることができます。
水の量:適切な管理がカギ
紫陽花は他の花と比べて大量の水を必要とします。したがって、花瓶にはたっぷりの水を入れることが大切です。ただし、茎全体を水に浸ける必要はありません。茎が5〜10cmほど水に浸かっていれば十分です。
花瓶の水はできるだけ毎日交換し、清潔な状態を保つことが重要です。また、茎の先端を少しずつ切り戻して新鮮な切り口を保つことで、花がより長く楽しめるようになります。毎日のちょっとした手間が、紫陽花を長持ちさせる秘訣です。
紫陽花が元気を失った時の対処法
それでも紫陽花が元気を失った場合、いくつかの対処法があります。まず、水の中で茎を再度切り、水を吸わせる「水切り」を試してみましょう。茎のワタを掻き出すことで、水の吸い上げがスムーズになり、花が元気を取り戻すことがあります。
それでも元気が戻らない場合は、茎を新聞紙で包み、深水に2〜3時間つけてみてください。新聞紙で包むことで、茎から吸収した水分が葉から蒸発しにくくなります。花と葉は上向きになるようにし、花部分は優しく、葉や茎部分はしっかりと包むのがポイントです。
さらに、それでも効果がない場合は、水をたっぷりと張った器に花全体を浸けて様子を見ましょう。1〜2時間ほどで元気を取り戻すことが多いですが、それでも戻らない場合は寿命と考えざるを得ません。
アジサイをドライフラワーにする方法
紫陽花をドライフラワーにする方法も紹介します。まず、しっかりと水揚げをして花に水を含ませます。茎を短めにカットし、水に浸けた後、水を足さずに風通しの良い場所に置きます。自然とドライフラワーになることが多いですが、梅雨時期の湿度が高い日は避けましょう。
天気の良い日が続くときに行うと、乾きが早く、成功率が高くなります。湿度が高い日は、花びらがしおれてしまうことがあるので注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか?紫陽花の切り花を長持ちさせるためには、適切な茎の切り方、葉の取り除き方、水の量の管理が重要です。また、元気がなくなった場合の対処法を知っておくことで、花をより長く楽しむことができます。この梅雨の季節、紫陽花をお世話しながら、その美しさを存分に楽しんでみてはいかがでしょうか?