お花屋さんで「アスター」と呼ばれる花を見かけたことはありませんか?実は「アスター」と呼ばれる花や、それに似た花は意外とたくさんあるんです!
「クジャクソウって何?」「シオンとアスターは同じなの?」「エゾギクって聞いたことあるけど…」
そんな疑問をお持ちの方も多いはず。この記事では、アスターに似た花たちの見分け方や特徴を花屋30年以上の経験からわかりやすく解説します✨
読み終わる頃には、お花屋さんで自信を持って「このアスターとあのアスターは違うんですよ~」なんて会話ができるようになりますよ!
アスターとは?基本情報と特徴
まずは「アスター」と呼ばれる花の正体に迫ってみましょう!🕵️♀️
アスターとは何の花?
実は「アスター」というと、いくつかの花を指す場合があります。ちょっとややこしいんですよね~。
一般的に花屋さんで「アスター」と呼ばれているのは、エゾギク(学名:Callistephus chinensis)のことが多いです。小さな菊のような可愛らしい花で、夏から秋にかけて咲きます。特にお盆の時期によく出回るので、仏花としても親しまれていますよ。
でも植物分類の世界では、もともと「アスター」はキク科シオン属(学名:Aster)の植物を指していました。ただ現在では分類が変わり、エゾギクは「カリステフス属」になっています。それでも園芸の世界では昔からの呼び名がそのまま使われていることが多いんです。
「アスター」の種類と仲間たち
「アスター」と呼ばれる花の主な種類を整理すると:
- 一年草アスター(エゾギク):いわゆる花屋さんでよく見る「アスター」
- 宿根アスター:多年草のアスター。「ミカエルマス・デージー」や「孔雀アスター(クジャクソウ)」など
- シオン:野草のような雰囲気の紫色の花をつける日本の在来種
これらはどれも小菊のような花が魅力的で、秋のガーデニングや切り花として人気があります💐
さあ、それぞれの花について詳しく見ていきましょう!
クジャクソウ(孔雀アスター)とアスターの違い
「クジャクソウ」って聞いたことありますか?🦚 実はこれも「アスター」の仲間なんですよ~。
クジャクソウ(孔雀アスター)の特徴
クジャクソウは正式にはクジャクアスターと呼ばれ、北米原産のキク科シオン属の多年草(宿根草)です。学名は「Aster hybrids」で、宿根アスター、シロクジャク、ミケルマスデージーなどの別名もあります。
その名前の由来は、小さな花をたくさんつけた枝が、羽根を広げた孔雀の美しい姿に似ていることから来ているんですよ。素敵な名前ですよね~🦚✨
属名「Aster」はラテン語で「星」という意味で、種小名の「hybrids」は「雑種の」という意味です。つまり「星のような雑種」というわけです!
見分け方のポイント
クジャクソウとエゾギク(一般的なアスター)の主な違いは:
- 草丈:クジャクソウは大きいもので150cmほどになることも!エゾギクは20~100cm程度
- 花の咲き方:クジャクソウは小さな花が無数に咲き、まるで孔雀の羽のよう
- 寿命:クジャクソウは宿根草(多年草)、エゾギクは一年草
- 開花期:クジャクソウは8~11月頃、エゾギクは6~8月頃(まき時期による)
お庭に植えると、クジャクソウは毎年楽しめるのが嬉しいポイント!秋のガーデンには欠かせない存在です🍂
シオンとアスターの違いを徹底解説
続いては「シオン」について見ていきましょう💜
シオンの特徴と見分け方
シオン(紫苑、学名:Aster tataricus)は、中国、朝鮮半島、モンゴル、ロシア原産のキク科シオン属の多年草です。日本では九州の阿蘇山にも自生していますよ。
「ジュウゴヤソウ(十五夜草)」や「オモイグサ(思い草)」とも呼ばれ、その名の通り秋の十五夜頃に美しい紫色の花を咲かせます。
シオンの特徴は:
- 草丈:100cm以上と背が高く、上部で枝分かれする
- 花の色:基本は紫色(「紫苑」の名前の由来)
- 花の形:中心が黄色く、周りに紫色の花びらが放射状に広がる
- 野趣あふれる雰囲気:野草のような自然な風合いがある
シオン属の植物について
シオン属(Aster)には、他にもミヤコワスレ(都忘れ)やノコンギクなどが含まれます。これらはアスターの仲間として親しまれていますが、それぞれに個性があるんです。
シオンとエゾギク(一般的なアスター)の違いは:
- 草姿:シオンはより自然な野草のような姿、エゾギクは園芸品種として改良されている
- 花の大きさ:シオンの花はやや小さめ
- 用途:シオンは和風の庭や野草園に、エゾギクは花壇や切り花に向いている
日本の秋の七草のひとつにも数えられるシオンは、日本の文化とも深く結びついた花なんですよ🍁
エゾギクとアスターの関係性
続いては、花屋さんで「アスター」として一番よく見かけるエゾギクについてご紹介しますね🌸
エゾギクとアスターの混同について
エゾギク(学名:Callistephus chinensis)は、園芸の世界では単に「アスター」と呼ばれることが多いんです。でも実は、現在の植物分類ではアスター属(シオン属)ではなく、カリステフス属に分類されています。
ちょっと専門的になりますが、古くはエゾギクもアスター属に分類されていたため、今でもその名残で「アスター」と呼ばれているんですよ~。これが混乱の元になっているんです😅
別名には「エゾギク」や「江戸菊」、「朝鮮菊」なども。英名では「China aster(チャイナアスター)」と呼ばれています。
正しい分類と園芸上の呼び名
エゾギクの特徴をまとめると:
- 分類:キク科カリステフス属の一年草
- 原産地:中国北部
- 開花期:6~8月(春まき)、5~7月(秋まき)
- 草丈:20~100cm(品種による)
- 花の特徴:キクに似た花で、一重咲き、八重咲き、ポンポン咲きなど様々
- 花色:紫、ピンク、白、赤、青など豊富
エゾギクは切り花としても人気で、特にお盆の時期には仏花としてもよく使われます。花色が豊富で、特に青紫系の花色は貴重なんですよ💙
アスターに似た花の比較表
ここで、アスターに似た花々の特徴を表でまとめてみましょう!
特徴 | エゾギク(一般的なアスター) | クジャクソウ(孔雀アスター) | シオン |
---|---|---|---|
学名 | Callistephus chinensis | Aster hybrids | Aster tataricus |
分類 | 一年草 | 多年草(宿根草) | 多年草 |
原産地 | 中国北部 | 北米 | 中国、朝鮮半島など |
草丈 | 20~100cm | 70~150cm | 100cm以上 |
花の大きさ | 中~大輪 | 小輪が多数 | 中輪 |
開花期 | 6~8月 | 8~11月 | 9~10月 |
花色 | 紫、ピンク、白、赤、青など | 白、薄いピンク、紫、青紫 | 主に紫色 |
ガクの特徴 | 目立つ | 小さく目立たない | 小さい |
葉の形 | 幅広め | やや細長い | 長楕円形 |
特徴的な性質 | 連作を嫌う | 丈夫で育てやすい | 野草風の風合い |
この表を見れば、お花屋さんでアスターを選ぶときにも迷わなくなりますね🌟
アスターに似た花々の花言葉
お花選びに花言葉を取り入れると、もっと特別な贈り物になりますよね🎁 アスターとその仲間たちの素敵な花言葉をご紹介します!
各花の花言葉と意味
◆ エゾギク(一般的なアスター)の花言葉
- 『思い出』
- 『追憶』
- 『変化』
- 『同感』
- 『信じる恋』
アスターが「思い出」や「追憶」という花言葉を持つのは、お盆の時期に咲く花として先祖を偲ぶ意味合いがあるからとも言われています。また「変化」の花言葉は、豊富な花色や花形を持つことからきているようですよ✨
◆ クジャクソウ(孔雀アスター)の花言葉
- 『思いやり』
- 『追想』
- 『私を忘れないで』
クジャクソウの花言葉「思いやり」は、たくさんの小さな花が寄り添うように咲く姿から来ていると言われています。大切な方への贈り物にぴったりな意味ですね💕
◆ シオン(紫苑)の花言葉
- 『追憶』
- 『君を忘れない』
- 『遠い思い出』
シオンの名前の「紫苑」は、「紫色の花が遠くに見える」という意味があり、その儚さから切ない花言葉が付けられたと言われています。秋の物思いにふける雰囲気にぴったりですね🍂
色別の花言葉の違い
エゾギク(一般的なアスター)は、色によっても花言葉が変わります!
- 赤色:『変化を好む』
- 白色:『私を信じてください』
- 青色:『信頼』『あなたを信じているけど心配』
- 紫色:『恋の勝利』『私の愛はあなたの愛より深い』
- ピンク色:『甘い夢』
花束やアレンジメントを贈るときは、色別の花言葉も意識すると、より思いが伝わりますよ❣️
アスターに似た花の育て方のコツ
どれも素敵なアスターの仲間たち。実はそれぞれ育て方にも特徴があるんです!自宅でも気軽に育ててみませんか?🌱
育てる際の注意点
◆ エゾギク(一般的なアスター)の育て方
エゾギクは比較的育てやすい花ですが、連作を嫌うという特徴があります。一度エゾギクを植えた場所では5~6年は同じ花を育てることができません。鉢植えの場合も土の入れ替えが必要です!
また、水はけが悪い土や酸性の土では元気に育ちません。庭植えにする場合は腐葉土をよく混ぜ込み、植え付ける10日前に石灰をまいて土の酸性を中和しておくといいですよ。
◆ クジャクソウ(孔雀アスター)の育て方
クジャクソウは丈夫な宿根草なので、初心者の方でも比較的育てやすいです!日当たりのよい場所を好み、やや湿り気のある肥沃な土壌を好みます。
草丈が高くなりやすいので、風で倒れないように支柱を立てておくと安心。花がら摘みをすると、より長く花を楽しめますよ。
◆ シオン(紫苑)の育て方
シオンは野草に近いので、比較的丈夫です。日当たりのよい場所を好みますが、少し日陰でも育ちます。過湿には注意が必要です。
地植えにすると勢いよく育つので、広がりすぎないように注意してくださいね。こぼれ種でも増えていきますよ。
花を長く楽しむための方法
切り花として長持ちさせるコツ
- 茎を斜めにカットして水揚げをよくする
- 水は毎日取り替え、茎の切り口も時々カットし直す
- 直射日光や風の当たる場所は避ける
アスターの仲間たちは切り花としても人気があります。上手なお手入れで、より長く美しい花を楽しみましょう💐
まとめ
いかがでしたか?アスターとその仲間たちの魅力、少しでも伝わりましたでしょうか?🌼
記事のおさらい
今回は「アスター」と呼ばれる花々について詳しく見てきました。
- エゾギク(一般的なアスター) は一年草で、花屋さんでよく見かける「アスター」。園芸分類上は現在カリステフス属。
- クジャクソウ(孔雀アスター) は多年草で、小さな花が無数に咲いて孔雀の羽のような美しさ。
- シオン(紫苑) は野趣あふれる多年草で、秋の七草にも数えられる日本の風情ある花。
どの花も「星のような」可愛らしい花を咲かせ、秋の花壇や切り花として大活躍してくれます✨
アスターに似た花を楽しむヒント
お庭に植えるなら、エゾギクは一年草なので毎年植え替えが必要ですが、クジャクソウやシオンは多年草なので一度植えれば毎年楽しめます。
切り花として楽しむなら、エゾギクは花持ちがよく、色も豊富。花束やアレンジメントでも大活躍です。少し大人っぽいアレンジには、上品なクジャクソウがおすすめですよ💕
また、これらの花は秋のガーデニングの主役になってくれるので、植えておくと晩夏から秋にかけてのお庭が華やかになりますよ🍁
おわりに
「アスター」と一言で言っても、様々な種類があり、それぞれの魅力があることがお分かりいただけたでしょうか?
次回お花屋さんで「アスター」を見かけたら、「これはエゾギク?それともクジャクソウかな?」なんて、ちょっと詳しくなった自分を感じてみてください😉
みなさんもぜひ、アスターとその仲間たちの魅力を、お庭やお部屋に取り入れてみてくださいね!
皆さんのアスターライフが素敵なものになりますように!🌟