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美しく咲かせるクレマチスの育て方 – 剪定・肥料・植え替えのコツを徹底解説

雑記、コラム

クレマチスは、その豊かな花色と多様な品種から「つる性植物の女王」と呼ばれる人気の園芸植物です。本記事では、初心者から上級者まで役立つクレマチスの育て方を解説します。

鉢植えと地植えそれぞれのポイント、適切な植え付けや植え替えの時期、水やりや肥料のコツ、そして最も重要な剪定方法まで、クレマチスを美しく咲かせるために必要な情報を徹底的に紹介します。

季節ごとのお手入れポイントを押さえて、長く楽しめるクレマチス栽培を始めましょう。

 

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初心者必見!クレマチスの基本知識と育て方

クレマチスの丘:赤い花

クレマチスとは?特徴と魅力

クレマチスは、キンポウゲ科センニンソウ属のつる性植物で、世界に約300種類、園芸品種は3000種以上あるとされています。日本では「鉄線」とも呼ばれ、春から秋にかけて次々と花を咲かせる品種もあり、ガーデニング愛好家から高い人気を集めています。

クレマチスの最大の魅力は、豊富な花色と形状にあります。青紫や赤、ピンク、白など様々な色の花を咲かせ、一重や八重、小輪から大輪まで多様なバリエーションがあります。また、フェンスやアーチ、トレリスなどに絡ませて育てることで、立体的な花の演出が可能である点も大きな特徴です。

つる性植物ながら、品種によっては比較的コンパクトに育てられるものもあり、鉢植えでも十分に楽しむことができます。四季を通じて花を楽しめる品種もあり、ガーデニングの幅を広げてくれる植物といえるでしょう。

人気品種の紹介と選び方

クレマチスの品種は非常に多いですが、主に開花時期や剪定方法によって3つのグループに分類されます。初心者が品種を選ぶ際は、このグループを理解しておくとよいでしょう。

  1. 第1群(早咲き大輪種):春に旧枝(前年に伸びた枝)から開花する品種。「ネリー・モーザー」「ミス・バタワース」などが有名です。
  2. 第2群(中間種):春に旧枝から、夏に新枝から開花する品種。「ザ・プレジデント」「ビルドフランス」などが人気です。
  3. 第3群(遅咲き種):夏から秋に新枝(当年に伸びた枝)から開花する品種。「ジャックマニー」「ビチセラ」系などが代表的です。

初心者には、育てやすい第3群から始めることをおすすめします。冬に地際まで切り戻してしまっても翌年にしっかり開花するため、剪定の失敗を恐れずに育てられます。

また、品種選びの際は、自分の環境に合った成長の大きさにも注目しましょう。小さな庭やベランダでは、コンパクトに育つ品種が適しています。「テキセンシス」系や「インテグリフォリア」系は比較的小型で扱いやすいでしょう。

基本的な育て方の全体像

クレマチスを育てる上で最も重要なポイントは、「頭は日向、根は日陰」の原則を守ることです。クレマチスは茎や葉、花は太陽の光を好みますが、根は涼しい環境を好みます。

基本的な育て方の流れは以下の通りです:

  1. 適切な場所選び:日当たりの良い場所で、根元が直射日光に当たりにくい環境を選びます。
  2. 植え付け:水はけの良い土に、根を傷つけないように丁寧に植え付けます。
  3. 支柱の設置:つるを誘引するための支柱やトレリスを用意します。
  4. 水やり:乾燥に弱いため、特に生育期は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
  5. 肥料:春から夏にかけて定期的に肥料を与えます。
  6. 剪定:品種のグループに応じた適切な剪定を行います。
  7. 冬の管理:寒冷地では、根元に腐葉土などでマルチングをして防寒します。

初心者が陥りやすい失敗は、過剰な水やり誤った剪定です。クレマチスは根腐れに弱いため、水のやりすぎには注意が必要です。また、品種によって剪定方法が異なるため、自分の育てている品種がどのグループに属するかを確認しておきましょう。

 

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クレマチスの鉢植えと地植えの栽培方法

鉢植えと地植えのそれぞれのメリット・デメリット

クレマチスは鉢植えでも地植えでも育てることができますが、それぞれに特徴があります。

鉢植えのメリット

  • 場所を選ばず、ベランダや玄関先でも育てられる
  • 移動が可能で、開花時期に見せたい場所に配置できる
  • 根の広がりが制限されるため、比較的コンパクトに育てられる

鉢植えのデメリット

  • 水切れに注意が必要で、特に夏場は乾燥しやすい
  • 根の成長に伴い、定期的な植え替えが必要
  • 寒冷地では冬の防寒対策が必須

地植えのメリット

  • 根が十分に広がるため、生育が旺盛になる
  • 水やりの頻度が少なくて済む
  • 大きく育ち、豪華な花姿を楽しめる

地植えのデメリット

  • 一度植えると移動が難しい
  • 根が乾燥しないよう、根元の環境管理が必要
  • 強健に育ちすぎて、管理が大変になることもある

どちらの栽培方法を選ぶかは、ご自身の環境や目的によって決めるとよいでしょう。限られたスペースでの栽培や初心者の方は鉢植えから始めるのがおすすめです。

初心者向け:鉢植えのポイント

鉢植えでクレマチスを育てる際の重要なポイントをご紹介します。

まず、鉢のサイズは非常に重要です。新苗を購入した場合は、一回り大きな鉢(直径18〜24cm程度)に植え替えるのが適切です。クレマチスは根をしっかり張るため、深めの鉢を選びましょう。

用土については、市販の草花用培養土に、パーライトや軽石を2割程度混ぜて水はけを良くすると理想的です。クレマチスは水はけの良さを好みますが、保水性も必要とするため、バランスの取れた土作りがポイントです。

鉢植えの最大の注意点は根の温度管理です。クレマチスの根は高温に弱いため、夏場は鉢が直射日光で熱くならないよう工夫が必要です。鉢カバーを使ったり、他の植物の鉢で囲んだりすると効果的です。

水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるのが基本です。特に生育期(春〜秋)は水切れに注意しましょう。ただし、冬場は控えめにして根腐れを防ぐことも大切です。

鉢植えのクレマチスは2〜3年に一度、一回り大きな鉢に植え替えるのが理想的です。植え替えの最適な時期は、休眠期の2月〜3月頃です。

上級者向け:地植えで大きく育てるコツ

地植えでクレマチスを育てる場合、より豪華な花姿を楽しむことができます。以下のポイントを押さえて、美しく健康に育てましょう。

地植えの際の植え付け場所は、日当たりの良い場所で、できれば西日が当たりにくい環境が理想的です。また、根元が涼しく保てるよう、低木や宿根草などと混植するのも効果的な方法です。

植え穴は、幅・深さともに40cm程度掘り、底に軽石や砂利を敷いて排水性を確保します。クレマチスは根を深く張る性質があるため、しっかりと耕した土壌が重要です。

地植えでは、つるの誘引が重要なポイントになります。フェンスやアーチ、オベリスクなどの支柱を事前に設置しておき、つるが伸びてきたら柔らかい誘引紐でやさしく固定していきます。つるは自分では巻き付かないので、定期的な誘引作業が必要です。

地植えのクレマチスは土壌中の養分を吸収できますが、毎年春に緩効性肥料を与えると、より豊かな開花を楽しめます。また、根元には腐葉土やバークなどでマルチングを行い、根の温度上昇を防ぐことも大切です。

上級者向けのテクニックとして、クレマチスを複数品種の組み合わせで植栽する方法があります。第1群と第3群を組み合わせれば、春から秋まで長く花を楽しむことができます。また、バラとの相性も抜群で、同じ支柱を使って育てることで立体的な花の空間を作り出せます。

 

クレマチスの植え付けと植え替え

クレマチスの丘:赤いベルテッセン

適切な植え付け時期と方法

クレマチスの植え付けに最適な時期は、春(3月〜5月)と秋(9月〜11月)です。真夏や厳冬期は避けるようにしましょう。特に初心者の方には、気候が安定している春の植え付けがおすすめです。

植え付け方法のポイントは以下の通りです:

  1. 深植えがクレマチスの基本です。市販品は浅く植えられていることが多いので、植え付ける際は最初の節が土に隠れるくらいまでしっかり深く植えます。これによって、根元から新芽が出やすくなり、剪定後の再生力も高まります。
  2. 水はけの良い土壌を用意します。市販の培養土に、パーライトや軽石、バーミキュライトなどを2割程度混ぜ込むと理想的です。粘土質の土壌の場合は、砂や腐葉土をしっかり混ぜて改良しておきましょう。
  3. 植え付け後はたっぷりと水を与え、根と土を密着させます。その後1週間程度は土の乾燥に注意し、乾いたらしっかり水やりをしましょう。
  4. 植え付けと同時に支柱やトレリスを設置しておくと、後々の管理が楽になります。クレマチスのつるは自分では巻き付かないので、生育に合わせて誘引していく必要があります。

植え替えの最適な時期と手順

鉢植えのクレマチスは、根詰まりを防ぐために2〜3年に一度の植え替えが必要です。植え替えの最適な時期は、植物が休眠している2月下旬〜3月中旬です。

植え替えの基本的な手順は以下の通りです:

  1. 新しい鉢は現在の鉢より一回り大きなものを選びます。深さのある鉢が理想的です。
  2. 植え替え前日にたっぷりと水を与えておくと、鉢から抜き取りやすくなります。
  3. 鉢から丁寧に株を取り出し、根鉢の状態を確認します。根が密集している場合は、優しく手でほぐします。古くなった根や傷んだ根は、清潔なハサミで切り取ります。
  4. 新しい鉢の底に鉢底石を敷き、その上に新しい用土を入れます。クレマチスを置き、周囲に土を入れていきます。このとき、最初の節が隠れるくらいの深さになるように植えます。
  5. 植え替え後はたっぷりと水を与え、1週間程度は半日陰で管理し、根が新しい環境に慣れるのを待ちます。

根を傷めない植え替えテクニック

クレマチスは根を傷めると回復に時間がかかるため、植え替え時には細心の注意が必要です。以下のテクニックを参考にしてください。

  1. 植え替え作業は曇りの日や夕方に行うと、植物へのストレスを軽減できます。
  2. 鉢から抜き取る際は、鉢の縁をプラスチック製の棒などで全周にわたって軽くたたくか、鉢を横に寝かせてゆっくり回転させながら抜き取ります。無理に引っ張ると根を傷める原因になります。
  3. 根をほぐす作業は、水を張ったバケツの中で行うと、土が落ちやすく根を傷めにくくなります。
  4. 植え付け後1〜2週間は強い日差しを避け、水切れしないように管理します。これにより、根の定着が促進されます。
  5. 植え替え後すぐに肥料を与えるのは避け、新しい芽が出てきてから与えるようにしましょう。

これらのテクニックを実践することで、植え替えによるストレスを最小限に抑え、クレマチスを健康に育てることができます。

 

クレマチスの水やりと肥料管理

季節別の水やりの頻度とポイント

クレマチスは乾燥に弱い植物ですが、過湿も苦手とするため、適切な水やりが美しい花を咲かせるポイントとなります。季節ごとの水やりのコツを押さえましょう。

春(3月〜5月): 成長期に入るこの時期は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に新芽が出始める頃は水切れに注意し、2〜3日に1回程度のチェックが必要です。

夏(6月〜8月): 高温期には朝か夕方に水やりをし、葉や茎にも軽く水をかけて蒸散を促します。鉢植えの場合は特に乾燥しやすいので、真夏は毎日確認しましょう。根の温度上昇を防ぐため、鉢の周りに水を撒くのも効果的です。

秋(9月〜11月): 気温の低下とともに水やりの頻度を減らしていきます。ただし、完全に乾かさないよう注意します。特に花を咲かせている場合は、引き続き適切な水分を与えましょう。

冬(12月〜2月): 休眠期に入るため、水やりは最小限にします。鉢植えの場合は、完全に乾燥させないよう2週間に1回程度、晴れた日の午前中に少量の水を与えます。地植えは基本的に自然の雨で十分ですが、長期間雨が降らない場合は月に1回程度水やりをしましょう。

水やりの重要なポイントは、表面だけでなく根までしっかり湿らせることです。特に鉢植えの場合、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えることが大切です。

効果的な肥料の選び方と与え方

クレマチスは花を次々と咲かせるため、適切な肥料管理が欠かせません。基本的にはリン酸とカリウムを多く含む肥料が効果的です。

肥料の種類と特徴は以下の通りです:

  1. 緩効性化成肥料:長期間にわたって効果が持続するため、春と秋の年2回の施肥で基本的には十分です。春は花芽形成のために、秋は翌年の生育に備えて与えます。
  2. 液体肥料:成長期に月2回程度、薄めて与えることで即効性があります。特に開花前と開花中の栄養補給に適しています。
  3. 有機質肥料:腐葉土や堆肥などの有機質肥料は、土壌改良と栄養供給の両方の効果があります。春先に根元にすき込むように与えるのが効果的です。

肥料を与える際の重要なポイントは、与えすぎないことです。特に窒素分の多い肥料を過剰に与えると、茎葉ばかりが生い茂り、花つきが悪くなる原因となります。

適切な肥料の与え方は以下の通りです:

  1. 緩効性肥料は、根から少し離れた位置に施します。直接根に触れさせると根焼けの原因になります。
  2. 液体肥料は、規定量の半分程度に薄めて与えるのが安全です。
  3. どの肥料も、乾いた状態の土に与えないようにします。事前に水やりをして、土が湿った状態で肥料を与えましょう。

初心者がやりがちな肥料の間違い

クレマチス栽培で初心者がよく陥る肥料関連の失敗をご紹介します。これらを避けることで、健康なクレマチスを育てることができます。

  1. 肥料の与えすぎ:「たくさん与えればそれだけ花が咲く」と考えがちですが、実際は根を傷めたり葉ばかり茂らせたりする原因になります。説明書の量を必ず守りましょう。
  2. 時期を間違える:休眠期や真夏の高温期に肥料を与えると、植物に負担をかけることがあります。基本的には春(3〜5月)と秋(9〜10月)が肥料のベストシーズンです。
  3. 窒素分の多い肥料ばかり与える:一般的な観葉植物用の肥料は窒素分が多く、クレマチスには適していません。花を咲かせるために、リン酸とカリウムが多い肥料を選びましょう。
  4. 乾いた土に肥料を与える:特に化成肥料は、乾いた状態の土に与えると根を傷める危険があります。必ず水やり後か、湿った状態の土に与えましょう。
  5. 根に直接触れさせる:肥料を根に直接触れさせると、根焼けを起こす原因になります。必ず根から少し離して与えるようにしましょう。

初心者の方は、最初のうちは「少なめに与える」という意識を持つことが大切です。クレマチスが元気に育っているようであれば、必要以上に肥料を与える必要はありません。土壌の状態や植物の様子を観察しながら、適切な量を見極めていきましょう。

 

クレマチスの剪定の基本

クレマチスの丘:紫のクレマチス

剪定が必要な理由と基本的な考え方

クレマチスの剪定は、初心者が最も迷うポイントの一つですが、美しい花を咲かせるために欠かせない作業です。剪定が必要な理由と基本的な考え方を理解しましょう。

剪定が必要な主な理由は以下の通りです:

  1. 株の更新:古い枝を切ることで新しい芽の成長を促し、株全体を若々しく保ちます。
  2. 花付きの改善:適切に剪定することで、花芽の形成が促進され、より多くの花を咲かせることができます。
  3. 株の形を整える:放任すると枝が絡まり合って見苦しくなります。剪定によって美しい形を保ちます。
  4. 病気の予防:風通しを良くすることで、病気やカビの発生を防ぎます。
  5. 生育範囲のコントロール:特に旺盛に成長する品種は、剪定によって適切な大きさに抑えることができます。

クレマチスの剪定の基本的な考え方は、どのグループ(群)に属する品種かによって大きく異なります。そのため、育てている品種がどのグループに属するかを把握することが最も重要です。

剪定の際の共通のポイントは以下の通りです:

  • 必ず清潔で鋭利な道具を使用する
  • 切り口は茎の節の上約5mm程度の位置で斜めに切る
  • 枯れた枝や弱った枝は見つけ次第除去する
  • 開花後の古い花がらは適宜摘み取る

これらの基本を押さえた上で、次項で紹介する群別の剪定方法を実践してください。

剪定のベストな時期と群別の剪定方法

クレマチスの剪定は、品種が属する群によって方法と時期が異なります。それぞれの群の特徴と剪定方法を理解しましょう。

第1群(早咲き大輪種・早咲き小輪種)

  • 剪定時期:花後すぐ(5月〜6月頃)
  • 剪定方法:基本的には軽剪定です。花が終わった後、混み合った枝や弱った枝を取り除く程度にとどめます。強剪定すると翌年の花が少なくなってしまいます。
  • 注意点:この群は旧枝(前年に伸びた枝)に花芽をつけるため、冬に強く剪定すると春の花が咲かなくなります。
  • 代表品種:「モンタナ」系、「アルピナ」系、「マッキノニー」など

第2群(中間種・早咲き大輪種)

  • 剪定時期:春の開花後(6月頃)と必要に応じて軽く冬の整理(2月頃)
  • 剪定方法:春の花後に半分程度の長さに切り戻します。これにより夏〜秋の二番花を促します。冬には混み合った枝の整理程度にとどめます。
  • 注意点:旧枝と新枝の両方に花をつけるため、バランスのとれた剪定が重要です。
  • 代表品種:「ネリー・モーザー」、「ビルドフランス」、「ヘンリー」など

第3群(遅咲き種・夏秋咲き種)

  • 剪定時期:晩冬〜早春(2月下旬〜3月上旬)
  • 剪定方法:地際から20〜30cmほどの高さで思い切って切り戻す強剪定が基本です。元気な芽が2〜3対見える位置まで切り詰めます。
  • 注意点:この群は当年に伸びた新枝に花をつけるため、強く剪定しても問題ありません。むしろ強剪定するほど夏から秋にかけての花付きが良くなります。
  • 代表品種:「ジャックマニー」、「ビチセラ」系、「テキセンシス」系など

小輪種・原種系

  • 剪定時期:必要に応じて花後(この群は剪定が少なくて済むものが多い)
  • 剪定方法:基本的には混み合った枝の整理程度で十分です。大きくなりすぎる場合は、3年に一度程度強剪定して更新します。
  • 代表品種:「インテグリフォリア」系、「レクタ」など

剪定は、植物にとって大きなストレスとなる作業です。剪定後は水やりと肥料をしっかり与え、新しい成長を促しましょう。

剪定しないとどうなるか?結果と対処法

クレマチスを剪定せずに放置するとどうなるか、そしてその対処法について説明します。

剪定しない場合の主な結果

  1. 枝が絡まって見苦しくなる:つるが伸び続け、複雑に絡み合って整理が困難になります。
  2. 花付きが悪くなる:特に第3群の品種は、古い枝からの花付きが悪くなり、開花が減少します。
  3. 下部が枯れ上がる:光が当たらない下部の葉や枝が枯れ、「下部裸状態」になることがあります。
  4. 病気や害虫が発生しやすくなる:風通しが悪くなり、病気や害虫の発生リスクが高まります。
  5. 管理が困難になる:特に第3群の品種は、毎年新しいつるが増え続け、やがて手に負えないほど大きくなることがあります。

放置されたクレマチスの対処法

  1. 段階的な剪定:一度に強剪定すると株にショックを与えることがあります。まずは枯れた枝や弱った枝から取り除き、次に絡まった枝を整理し、最後に必要な剪定を行います。
  2. 適切な時期を選ぶ:強剪定が必要な場合は、休眠期(2月下旬〜3月上旬)に行うのが最適です。
  3. 更新剪定:何年も放置された株は、思い切って地際から30cm程度の高さで切り戻す「更新剪定」を検討します。特に第3群の品種は、この方法で比較的容易に回復します。
  4. 剪定後のケア:強剪定後は特に水やりと施肥に気を配り、新しい芽の成長を促します。また、直射日光を避け、半日陰で管理することでショックを和らげます。
  5. 支柱の整備:新しく伸びてくるつるを適切に誘引できるよう、支柱やトレリスを整備しておきます。

剪定を怠ったクレマチスでも、適切な対処を行えば多くの場合回復します。特に生命力の強い第3群の品種は、強剪定後も旺盛に新芽を出してくれるでしょう。長期間放置された株の回復には時間がかかることもありますが、根気よく管理を続ければ、再び美しい花を咲かせるようになります。

 

クレマチスの開花後のケア

花が終わった後の適切な手入れ

クレマチスの花が終わった後のケアは、次の開花を成功させるために非常に重要です。品種のグループによって対応が異なるため、適切な手入れを心がけましょう。

基本的な開花後のケアは以下の通りです:

  1. 花がらの摘み取り:枯れた花はこまめに摘み取ります。これにより、植物のエネルギーが種子形成に使われるのを防ぎ、次の花芽形成に向けられます。特に長い花柄がある品種は、花の付け根まで切り戻すとよいでしょう。
  2. 適切な水やり:開花期は水分の消費が多いため、花後もしばらくは水切れしないよう注意します。ただし、過湿にならないよう土の状態を確認しながら与えましょう。
  3. 追肥:花後1〜2週間以内にリン酸とカリウムを多く含む肥料を与えると、次の花芽形成が促進されます。第2群や第3群の品種で二番花を期待する場合は特に重要です。

各群別の開花後のケア

  • 第1群(早咲き大輪種・小輪種):花後すぐに軽く剪定し、その後は水やりと追肥を行います。この群は一度花を咲かせると、その年の開花は基本的に終了します。秋にはつるの誘引を完了させておくことが大切です。
  • 第2群(中間種):花後に半分程度の長さに切り戻し、水やりと追肥を行うことで、夏から秋にかけて二番花を楽しめます。切り戻しが遅れると二番花の量が減るので、花が終わったらすぐに行いましょう。
  • 第3群(夏秋咲き種):花後も引き続き水やりと追肥を行い、開花を継続させます。花がらはこまめに摘み取り、必要に応じて混み合った枝を間引きます。真夏の暑さで一時的に開花が減少しても、秋には再び開花が増えることが多いので、管理を続けましょう。

どの群においても、花後は根元の温度管理に気を配ることが重要です。特に夏場は根元が高温にならないよう、マルチングや鉢植えの場合は鉢カバーなどで対策を行いましょう。

二番花を咲かせるためのテクニック

多くのクレマチス愛好家が望む「二番花」を上手に咲かせるためのテクニックをご紹介します。特に第2群と一部の第3群の品種で効果的です。

  1. 適切な剪定タイミング:一番花が70〜80%終わった時点で一段下の芽が残る位置まで切り戻すことが重要です。あまり遅れると二番花の開花時期が遅れるため、花が枯れ始めたらすぐに対応しましょう。
  2. 集中的な栄養管理:剪定直後に液体肥料を薄めて与えることで、新しい花芽の形成を促進します。リン酸とカリウムが多い肥料を選ぶとより効果的です。
  3. 水管理の徹底:夏場は特に水切れを起こさないよう注意します。朝晩の水やりを心がけ、鉢植えの場合は特に念入りに水分状態を確認しましょう。
  4. 遮光対策:真夏の強い日差しは花芽形成を阻害することがあります。必要に応じて30〜40%程度の遮光を行い、株へのストレスを軽減します。
  5. 早朝の葉水:夏場の朝に葉に軽く水を吹きかけることで、蒸散を促し株の温度上昇を防ぎます。ただし、日中の葉水は葉焼けの原因になるので避けましょう。

二番花を咲かせるのに特に適した品種としては、第2群の「ネリー・モーザー」「ダッチェス・オブ・エジンバラ」や、第3群の「ジャックマニー」「エルンスト・マークハム」などがあります。品種によって二番花の咲きやすさは異なるため、購入時に確認しておくとよいでしょう。

また、二番花を促す剪定は株への負担が大きいため、植え付けて間もない若い株や弱っている株には行わないほうが無難です。株が十分に充実してから取り組むことをおすすめします。

年間を通した管理スケジュール

クレマチスを健康に育て、豊かな花を楽しむためには、年間を通じた計画的な管理が大切です。以下に月ごとの主な管理作業をまとめました。

1〜2月(冬)

  • 第3群の強剪定は2月下旬まで待つ
  • 寒冷地では根元の防寒対策を継続
  • 水やりは最小限に抑える
  • 支柱やトレリスの点検・補修

3月(早春)

  • 第3群の剪定を完了(月初旬まで)
  • 植え付けや植え替えに適した時期
  • 緩効性肥料の施用
  • 水やりを徐々に増やす

4〜5月(春)

  • 第1群の開花期(4月〜5月)
  • 第2群の開花開始(5月頃)
  • つるの誘引作業を定期的に行う
  • 病害虫の早期発見と対策

6月(初夏)

  • 第1群の花後の軽剪定
  • 第2群の一番花後の切り戻し(二番花を促す)
  • 液体肥料の追肥
  • 水やりを増やし、乾燥に注意

7〜8月(夏)

  • 第3群の本格的な開花期
  • 根元の温度上昇を防ぐマルチング
  • 朝夕の水やりを徹底
  • 花がらの摘み取りを継続

9〜10月(秋)

  • 第2群・第3群の秋の開花を楽しむ
  • 秋用の緩効性肥料の施用(9月中)
  • 植え付けに適した時期(10月頃)
  • つるの最終的な誘引・固定

11〜12月(晩秋〜初冬)

  • 落葉後の枝の整理(強剪定はまだしない)
  • 寒冷地では根元への防寒対策
  • 水やりを徐々に減らす
  • 来春用の支柱やトレリスの準備

通年の作業

  • 定期的な病害虫のチェック
  • 枯れた葉や花がらの除去
  • つるの誘引(成長期は特に重要)
  • 土の状態に応じた水やり

このスケジュールは一般的な目安です。お住まいの地域の気候や育てている品種によって、実際の作業時期は前後することがあります。クレマチスの状態をよく観察しながら、柔軟に対応することが大切です。

 

クレマチスの主な病気と害虫の症状と対策

クレマチスの丘:白と紫

クレマチスを健康に育てるためには、病気や害虫の早期発見と適切な対策が欠かせません。ここでは、クレマチスによく見られる主な病気と害虫について、その症状と対策をご紹介します。

主な病気と症状・対策

1. クレマチス萎凋病(いちょうびょう)

症状

  • 突然、茎や葉が萎れて黒ずむ
  • 数日で株全体が枯れることもある
  • 茎の付け根に黒い病斑が見られる
  • 切断面に黒い維管束(導管)が確認できる

対策

  • 発見次第、感染部分を地際から切り取る
  • 切ったハサミは必ず消毒する
  • 殺菌剤(ベンレート水和剤など)を散布する
  • 予防として、根元を涼しく保つためのマルチングを行う
  • 深植えを実践し、地中の節から新しい芽が出るようにする
  • 排水性の良い土壌環境を整える

2. うどんこ病

症状

  • 葉や茎に白い粉状のカビが発生する
  • 進行すると葉が黄変・褐変して落葉することもある
  • 高温多湿の環境で発生しやすい

対策

  • 発生初期に罹患部分を取り除く
  • 風通しを良くする(つるの間引き、適度な剪定)
  • 殺菌剤(トップジンMなど)を散布する
  • 水やりは葉に水がかからないように根元に与える
  • 葉が混み合っている部分を適度に整理する

3. 灰色かび病

症状

  • 葉や茎、花に灰色〜褐色のかびが発生する
  • 湿度が高い時期に発生しやすい
  • 弱った部分から感染することが多い

対策

  • 罹患部分を早めに除去し、処分する
  • 風通しを良くする
  • 株元の湿度を下げる工夫をする
  • 殺菌剤(ダコニール1000など)を散布する
  • 落葉や古い枝はこまめに片付ける

4. 黒斑病

症状

  • 葉に黒い斑点や輪紋が現れる
  • 進行すると葉全体が黄変・褐変する
  • 梅雨時期に発生しやすい

対策

  • 罹患した葉を取り除いて処分する
  • 雨の後は特に注意して観察する
  • 殺菌剤(ベンレート水和剤など)を定期的に散布する
  • 株元に水が溜まらないよう排水性を確保する

主な害虫と症状・対策

1. アブラムシ

症状

  • 新芽や若葉に小さな緑色や黒色の虫が群がる
  • 葉が縮れたり、変形したりする
  • 排出する甘露により、すす病が発生することもある

対策

  • 発見したら水で洗い流す(弱い勢いの水で)
  • 少量の場合は手で取り除く
  • 殺虫剤(オルトラン粒剤やベニカXなど)を散布する
  • 天敵(テントウムシなど)を活用する
  • 定期的に株全体をチェックする

2. ハダニ

症状

  • 葉の裏に小さな赤や黄色の点状の虫が見られる
  • 葉に小さな白い斑点ができる
  • 葉が黄変し、ひどい場合は枯れる
  • 乾燥した環境で発生しやすい

対策

  • 葉の表裏に水を噴霧して洗い流す
  • 殺ダニ剤(カダンセーフなど)を散布する
  • 湿度を適度に保つ
  • 定期的に葉の裏側をチェックする
  • 被害が大きい葉は除去する

3. ナメクジ・カタツムリ

症状

  • 葉や新芽、花に不規則な食害跡がある
  • 葉に光る粘液の跡が残る
  • 特に雨の多い時期に活動が活発になる

対策

  • 夜間や早朝に見回って手で除去する
  • 殺虫剤(ナメクジ用の粒剤など)を散布する
  • 鉢や株元の周囲に粗い砂や卵の殻を敷く
  • ビールトラップを設置する
  • 植物の周囲を清潔に保つ

4. スリップス

症状

  • 葉に銀色や白色の斑点や筋が現れる
  • 花びらが変色したり、開花不良になったりする
  • 非常に小さいため、肉眼での発見が難しい

対策

  • 青色の粘着トラップを設置する
  • 殺虫剤(アドマイヤー顆粒水和剤など)を散布する
  • 被害葉や被害花を取り除く
  • 定期的に葉や蕾をチェックする

予防のための日常管理

病気や害虫の発生を予防するためには、日頃からの適切な管理が大切です。

  1. 定期的な観察

    • 少なくとも週に1〜2回は株全体をチェック
    • 特に葉の裏側や新芽、茎の付け根など
  2. 適切な環境管理

    • 風通しを良くする(つるの間引き、適度な配置)
    • 日当たりを確保する(弱い株は病害虫に弱い)
    • 適切な水管理(過湿・乾燥どちらも避ける)
  3. 清潔な環境の維持

    • 落ち葉や枯れた部分はこまめに除去
    • 鉢植えの場合は、鉢の周りも清潔に
    • 使用する道具(ハサミなど)は清潔に保つ
  4. 予防的な薬剤散布

    • 病害虫が発生しやすい時期(梅雨前など)の予防散布
    • 殺菌剤と殺虫剤を交互に使用
    • 薬剤の使用説明書をよく読み、適切に使用する
  5. 植物の健康管理

    • 適切な肥料で栄養状態を良好に保つ
    • 過密な状態を避ける
    • ストレスを与えない(極端な環境変化など)

これらの対策を日頃から実践することで、クレマチスを病気や害虫から守り、健康で美しい花を長く楽しむことができます。万が一、病気や害虫が発生した場合は、早期に対処することが重要です。

 

まとめ

クレマチス栽培の要点を振り返りましょう。クレマチスは「つる性植物の女王」と呼ばれるだけあって、正しいケアで見事な花を楽しむことができます。初心者の方でも失敗しないためのポイントは以下の通りです:

  • 栽培方法は鉢植えと地植えがあり、初心者は鉢植えから始めるのがおすすめ
  • 植え付けは春と秋が適期で、深植えが重要
  • 3つの剪定グループを理解し、それぞれに合った剪定を行う
  • 根元は涼しく、頭は日光を浴びる環境を好む
  • 定期的な水やりと肥料で栄養をしっかり与える
  • 鉢植えは2〜3年に一度の植え替えが必要
  • 季節ごとの管理(特に夏越し・冬越し)に気を配る

季節に合わせたケアを行い、クレマチスの魅力を存分に引き出してください。一度コツをつかめば、初心者の方でも美しいクレマチスを育てることができます。ぜひチャレンジしてみてください。

 

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