ハボタンというと冬の花壇や門松の根本に植えてあるものを思い浮かべるかもしれません。しかし、最近では冬の季節、特に年末年始には切り花としても大活躍なんです。
切り花でも重宝されるハボタン
ハボタンは花の種類が少ない冬の間のお助け花材です。特にお正月のアレンジには欠かせない存在になっています。
花に見えるのは実は全て葉っぱです。外側から順に、緑~白~ピンク、色の変化と全体の印象から、まるで大輪のお花の様に見えますね。
園芸用と比べて、切り花のハボタンの特徴は大きく2つ。
- 茎の長さが長い
- 花が小さめ
切り花用のハボタンは茎の長さが50センチを超えるものもあり、花瓶に直接生けるのにもアレンジメントを作るのにも困りません。
また、園芸用で門松に植えてあるようなものは花の直径が数十センチもあることがありますが、切り花用のハボタンは直径が10センチ前後です。このサイズもアレンジメントに使うには最適なんですね。
ハボタンの切り花、飾り方や日持ちは
マツやセンリョウなど正月用の花材との相性も抜群です。スッと伸びたマツの枝の根元に、短く切ったハボタンをギュッと沈めて、センリョウの赤い実を添えるだけで、すっかりお正月の雰囲気です。
飾るときの水揚げも簡単です。とっても丈夫な花材なので、茎を斜めに切って使う程度で大丈夫。水換えをしっかりしていけば1っヶ月持つこともザラです。
ハボタンの葉っぱは下のものから順に傷んできます。傷むと色が黄色く変色してきますから取り除いてください。
匂いが気になるハボタンの切り花
ハボタンはキャベツと同じケールの仲間。やはり同じような匂いがします。そして、飾ってある花瓶んの水からも匂いがするな~ と以前から思っていたのですが、こんな論文を目にしました。
ハボタン(キャベツのVAR。acephala F。トリコロール)日本の種子会社の品種はヨーロッパで栽培されています。この地域では、切り花の不快な臭いが問題になっています。ガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により、ヨーロッパの主要な日本の観賞用キャベツ栽培品種である「はつべに」と「はれすがた」の切り花から放出される揮発性物質を調べた。ジメチルジスルフィドは、花瓶の水だけでなく植物からも出現する主要な臭気活性成分として同定されました。花瓶の水は不快な香りの主な原因であり、水を頻繁に交換することで臭いの発生を防ぎました。花瓶の水に適用された切り花からのジメチルジスルフィド放出の潜在的な抑制剤の効果をテストしました。メチオニンからのジメチルジスルフィド合成の阻害剤であるシプロジニル、およびアミノオキシ酢酸、ジメチルジスルフィド生合成に関与する酵素反応の阻害剤は、何の効果も示さなかった。対照的に、切り花防腐剤であるイソチアゾリノン殺菌剤は、花茎の切り端の腐敗を抑制し、切り花からのジメチルジスルフィド放出を30〜40%減少させました。さらに、この殺菌剤は花瓶の水からの排出を大幅に抑制しました。イソチアゾリノン殺菌剤は、観賞用キャベツの切り花からの不快な香りの有望な候補阻害剤です。
引用:日本園芸学会誌
水を頻繁に交換すれば匂いを防げるようですね。合わせて切り花用の栄養剤も使うといいかもしれません。水の汚れを防ぐ成分も入っていますから。
ハボタン(切り花)の基本データ
分類:アブラナ科アブラナ属
原産:ヨーロッパ
サイズ:20~80センチ程度
花サイズ:大輪
販売価格:300~400円
出回り時期:10月~2月
参考資料:花屋さんで人気の469種「花図鑑」
花言葉
ハボタンの花言葉は「祝福」「利益」
まとめ
冬の花壇や門松の飾りばかりではなく、切り花でも大活躍のはボタンです。お正月のイメージがとっても強いですが、可愛らしい姿と使いやすさ、花もちの良さなど長所がたくさんある花材です。
今後は、秋口から春先まで長い期間重宝される花材になっていきそうな気がします。スプレータイプやフリルっぽい葉のものなど種類も年々増えてきているようですし、将来が楽しみです。