生花を部屋に飾ると、インテリアが華やかになり、気持ちも明るくなりますよね。花のある生活に憧れている方も多いのではないでしょうか。今回は、長持ちする花の選び方や、花を元気に保つためのコツについて詳しくご紹介します。
長持ちする切り花の選び方
枝物と葉物の魅力
長持ちする花材としてまず挙げられるのが枝物や葉物です。これらは一般的に花屋さんで手に入りやすく、しかも非常に丈夫です。例えば、サンゴミズキや柳類はとても強く、水に挿していると根が生えてきて、なんと3か月以上も持ちます。さらに、葉物の代表として葉蘭は殺菌効果があり、2か月は枯れずに美しさを保ちます。枝物や葉物を取り入れることで、長期間楽しむことができます。
菊の花の魅力
長持ちする花として特におすすめなのが菊の花です。菊というと、伝統的な菊人形に使われるような地味な花を思い浮かべるかもしれませんが、実は最近では品種改良が進み、モダンでおしゃれな菊がたくさん登場しています。驚くほど鮮やかで美しい菊も多く、「これが菊なの？」と思うほどです。
菊は元々持ちが良い花ですが、さらに長持ちさせるためには茎をハサミで切らずに指で折って先をギザギザにするのがポイントです。こうすることで、水をよりよく吸い上げることができます。
柔らかい茎の花も楽しもう
茎が柔らかい花は長持ちしにくい傾向がありますが、それでも自分の好きな花を飾りたいという気持ちも大切です。部屋に飾る花は自分が楽しむためのものですから、長持ちするかどうかにこだわらず、好きな花を選びましょう。そして、その花をできるだけ長く楽しむための工夫をすることが重要です。
花を長持ちさせるための方法
風を避ける
花が早く枯れてしまう原因の一つに風があります。花は風に非常に弱いため、エアコンの吹き出し口や風が直接当たる場所に置かないようにしましょう。風が当たらない場所に置くことで、花の寿命がぐっと延びます。
水の管理
もう一つの大きな原因は水です。水が腐るとバクテリアが発生し、茎の先端が腐ってしまいます。これを防ぐためには以下のポイントを押さえましょう。
毎日の水替え
特に夏場は気温が高くなり、水が腐りやすくなります。毎日水を替えることが理想的です。その際、花器も一緒に軽く洗うとバクテリアの繁殖を防げます。また、直射日光が当たらない涼しい場所に花を置くように工夫しましょう。例えば、マンションの玄関は北向きの場合が多く、涼しいのでおすすめです。
水切りのテクニック
茎の先が腐ってしまうと、花が水を吸えなくなります。水の中で茎の先を切る「水切り」を行うことで、切り口に空気が入らず、水を吸いやすくなります。水切りをする際は、花用のハサミでシャープに切るのが理想ですが、キッチンバサミでも代用できます。切り口をできるだけ斜めにして断面積を大きくすることがポイントです。
水切りはこまめに行うほど花が元気になります。花屋さんでは毎朝水替えと水切りを欠かさず行っています。家庭でも同様に、定期的に水切りを行うことで花の寿命を延ばすことができます。
特別なケアが必要な花
アジサイ
アジサイは茎の中に綿状のものが入っているため、水の吸い上げが悪いです。これを改善するために、つまようじで綿状の部分を取り除くか、茎をトンカチで叩いてつぶすと効果的です。さらに、茎の切り口に焼きミョウバンをすり込むと、アジサイがより長持ちします。
テッセンとクレマチス
テッセンやクレマチスも、水の吸い上げが悪い花の一つです。茎をトンカチで叩いてつぶすことで、水を吸いやすくなり、長持ちさせることができます。
弱った花を元気にする方法
もし花が弱ってしまった場合は、まず水切りをして茎先の悪くなった部分を取り除きます。その後、深めの花瓶やバケツに10～15センチの高さまで水を入れて、花を浸けておきます。これを「深水につける」といいます。ぬれた新聞紙でくるむと、水が蒸発しにくく、効果的です。湿気の多い浴室などに一晩置いておくと、花が元気を取り戻します。
お祝いでいただいた花などにはオアシスが使われていることがありますが、オアシスは花を持ち運ぶためのものであり、家に持ち帰った後は花をオアシスから抜いて水切りし、新たに水を張った花器に生け直すと、長く楽しむことができます。
花を長持ちさせるためのアイテム
花用のハサミ
きれいに水切りをするためには、専用の花用ハサミを用意することをおすすめします。最初は百均のものでも十分です。花を綺麗に切ることで、水をよく吸い上げ、長持ちさせることができます。
長持ちさせるための薬剤
市販されている花を長持ちさせるための薬剤も効果的です。ただし、薬剤だけに頼らず、2日に1回のペースで水替えをすることも大切です。これにより、水が清潔に保たれ、花が長く楽しめます。
ウォーターキープベース
初心者におすすめの花器として「ウォーターキープベース」があります。サイズが小さく形も可愛いため、花を活けるのが初めての人でも使いやすいです。いきなり大きな花瓶に挑戦するのではなく、一輪から始めるのが良いでしょう。食卓や棚など、どんな場所にも飾りやすいのが特徴です。ウォーターキープベースは銀めっきの効果で水がきれいに保たれ、花が長持ちします。
花を最後まで楽しむ工夫
せっかく買った花は、最後まで楽しみたいものです。花が元気を保つためには、こまめに水切りをして、元気がなくなったら深水につけるなどの工夫をしましょう。最後に花びらを小さな器に浮かべるなどして、最後の一瞬まで花の美しさを楽しむことができます。
一輪から花のある暮らしを始めましょう
これからお花を飾ろうと考えている方は、ぜひ一輪の花から始めてみてください。一輪の花でも、部屋の雰囲気が一変し、元気をもらえます。一輪の花なら、手頃な価格で購入できるものも多く、お庭の花や道端の雑草を摘んできても構いません。花があることで、毎日が楽しく明るい気持ちになります。
花が枯れるのは、花が生きている証拠。その生命力を感じながら、花を飾る楽しさを体験していただきたいと思います。
花が枯れる理由とその対策
花が枯れる原因とは？
花が枯れる主な原因は、風と水の管理が不十分であることです。これらの要素に気を付けることで、花の寿命を延ばすことができます。
風の影響
風は花にとって大敵です。エアコンやファンの風が直接当たる場所に花を置くと、花が乾燥しやすくなり、早く枯れてしまいます。花を飾る場所を選ぶ際には、風が直接当たらない場所を選びましょう。
水の管理
水が腐るとバクテリアが繁殖し、茎の先端が腐ってしまいます。これを防ぐために、定期的な水替えと花器の洗浄が必要です。また、水切りを行うことで、茎の切り口に空気が入らず、水を吸い上げやすくなります。特に夏場は、水が腐りやすいので注意が必要です。
季節ごとの花の手入れ方法
春の花
春は花がたくさん咲く季節ですが、気温が上がり始めるため、水の管理に注意が必要です。水替えを毎日行い、涼しい場所に花を飾るようにしましょう。
夏の花
夏は気温が高く、水がすぐに腐りやすい季節です。水替えは毎日行い、花器をしっかり洗浄することが重要です。また、直射日光が当たらない涼しい場所に花を置くようにしましょう。
秋の花
秋は比較的涼しい季節ですが、乾燥しやすいので、花の水分補給が大切です。水替えの頻度を少し減らしても構いませんが、乾燥しないように気を付けましょう。
冬の花
冬は気温が低く、水が腐りにくいですが、室内の乾燥に注意が必要です。加湿器を使ったり、花の近くに水を置いたりして、乾燥を防ぎましょう。
花を長持ちさせるための具体的な手順
毎日のケア
毎日のケアとして、以下の手順を実践することをおすすめします。
- 毎日の水替え：特に夏場は必須です。水を清潔に保つことで、花が長持ちします。
- 花器の洗浄：水替えの際に花器も軽く洗いましょう。これによりバクテリアの繁殖を防ぎます。
- 風を避ける：エアコンの吹き出し口や風の通り道に花を置かないようにしましょう。
定期的なケア
定期的なケアとして、以下の手順を実践しましょう。
- 水切り：水の中で茎を斜めに切り、断面積を大きくすることで、水の吸収を良くします。
- 茎の処理：アジサイやテッセン、クレマチスなどは茎をトンカチで叩いてつぶすと水上げが良くなります。
- 深水につける：花が弱ってきたら、深めの容器に水を張り、花を浸けておくと元気を取り戻します。
花を楽しむためのマインドセット
花のある生活を楽しむ
花を飾ることは単に美しいインテリアを楽しむだけでなく、心の安らぎや癒しをもたらします。花の手入れをする時間は、日々の忙しさから離れ、自分自身と向き合う貴重な時間です。
枯れることも受け入れる
花が枯れるのは自然なことです。花が枯れる過程も美しさの一部と捉え、その変化を楽しむことが大切です。花が枯れることで、新しい花を飾る楽しみも増えます。
花を最後まで楽しむ工夫
小さな器で最後まで楽しむ
花が元気を失ってきたら、花びらを小さな器に浮かべるなどして、最後まで楽しむ工夫をしましょう。これにより、花の美しさを余すことなく楽しむことができます。
ドライフラワーにする
枯れてしまう前に花をドライフラワーにするのも一つの方法です。ドライフラワーにすることで、花を長く楽しむことができ、インテリアとしても魅力的です。
まとめ
花のある生活は、心を豊かにし、毎日に彩りを加えます。長持ちする花を選び、適切に手入れをすることで、美しい花を長く楽しむことができます。ぜひ、自分の好きな花を選び、日々の生活に取り入れてみてください。一輪の花から始めて、花が持つ力を感じながら、花のある暮らしを楽しんでいただきたいと思います。
