切り花の水揚げは基本的には「水切り」で十分なのですが、桜やドウダンツツジなどの枝ものの場合は、もっと効果のある方法があります。
花屋さんでは、枝物の切り口を「割る・叩く・皮を剥く」という方法で水揚げの管理をしています。
難しいことではなくご家庭でも出来ることばかりですので、覚えておいて損はないと思いますよ♪
枝物の水揚げ:割る
割る方法は枝物全般に効果があります。
茎の切り口に縦にハサミを入れて割る方法です。2~3センチ割れれば十分です。
茎を縦に割ることで水がしみ込む面積を広くするのが目的ですので、できれば十文字に割れば効果が大きくなります。
枝物の茎は草花などの切り花と違い、太くて硬いことがほとんどです。ハサミでは普通に切断しづらいことも多いはずです。しかし横には切断できない枝でも、縦方向には比較的簡単に割ることができますのでお試しくださいね。
枝物の水揚げ:叩く
ハサミで割る代わりに、茎の断面をハンマーで叩く方法です。
茎の先端の繊維が壊れ、水を吸収する面積を増やす効果があります。「つぶす」というよりも「ほぐす」イメージで叩くのがポイントです。
枝物の中でも茎が太すぎてハサミで割るのが難しいものには叩く方法を使います。
逆に、細い茎の枝物は縦にハサミを入れるのが難しいことが多いです。ユキヤナギやヒペリカムなどがそうですね。この場合も叩いて水揚げするといいでしょう。
スモークツリー、ナツハゼなど枝もの全般に使えるのですが、枝もの以外にもテッセンなどにも使える方法です。
枝物の水揚げ:剥く
ナイフなどで茎の表面の皮を剥く方法です。切り口の断面から数センチの部分の樹皮を削ぎ取る感じです。
表皮に近い部分の導管から直接水を吸い上げる効果が期待できます。水揚げだけを考えると、どの枝物にも施したほうが良い方法です。
ビバーナム、ナナカマドなど比較的水揚げの悪い種類の枝物には特に効果がありますので、割りや叩きと併用するのもオススメです。
アジサイなどは若い緑色の茎ではなく、2年以上経って木質化した茎には効果がありますのでお試しください。
枝物の管理の注意点
枝物の水揚げ方法を説明してきましたが、実はどの方法にも同じ欠点があります。
それは、水が汚れてしまうことです。
「割る・叩く・剥く」どの方法にしても、茎や表皮のカスが水中のゴミになります。また、むき出しになった茎の表面や内部はバクテリアの影響を受けやすくなります。
枝物を花瓶などに飾るときには、特に水の管理に気をつけてください。他の草花と比べると水が汚れやすいということを覚えておいてほしいと思います。
バクテリアなどの繁殖を抑える為には、切り花用の鮮度保持剤(延命剤)を使うことをオススメします。100均でも売っていますのでお試しください。
まとめ
枝物を元気に長く楽しむためには少しだけ違った水揚げの処理が必要です。
「割る・叩く・剥く」この3つの方法を覚えておけば、ご家庭で枝物を飾る際にもきっと役に立つと思います。
ハウスなどの施設で生産される草花と違い、自然の中で育てられる枝物からは季節感を味わうことができます。
枝物を飾るのって少し敷居が高くて難しいイメージかも知れませんが、一度飾ったらやめられなくなるかもしれませんよ。
挑戦してみてくださいね♪