3枚の花びらからなるアイリスのお花は、キリスト教では「三位一体」のシンボルとして聖母マリアに捧げられ、古代エジプトでは信仰・知恵・勇気の象徴とされていました。
ハナショウブやカキツバタなどアヤメ科のお花はどれも似ているのですが、花屋さんで「アイリス」といえばオランダで交配されたダッチアイリス(写真)が一般的です。
アイリスの切り花の特徴、飾り方
3枚のキリッとした花びらとともに、球根植物によくあるスッと伸びた茎と綺麗なラインの葉っぱがアイリスの特徴です。
飾るときは、なるべく茎と葉っぱののラインを見せてあげるようにすると素敵になります。オランダ生まれで輸入品も多いアイリスですが、古くから日本人に馴染みのあるハナショウブなどと似ているため、和風のお花や枝物とも相性がいいです。
購入時には、お花の状態はもちろんですが葉先が傷んでカットされていないかもチェックしてください。葉っぱのラインが壊れてしまうとアイリスの魅力が半減してしまいます。
また、かたすぎる蕾は咲かないこともありますから先端に青い花の色が見えているものを購入しましょう。
アイリスを日持ちさせる水揚げ、管理方法
アイリスは水揚げの良いお花なので、飾るときは茎を切り戻すだけで充分元気に長持ちします。
一番下のほうに着いている葉っぱと茎の間には土が着いていることがよくあります。水に浸かる部分の葉っぱを取り除く際には土もキレイに洗い流しでください。
アヤメ科のお花には蕾の中に2番めのお花があることが多いです。ハナショウブは枯れたお花を取り除いておくと、しばらくして次のお花が咲いてきます。
通常、切り花のアイリスでは2番花は期待できないのですが、糖分入りの延命剤を使うと次のお花も咲くことがありますから試してみてください。
アイリスの花言葉
アイリスの花言葉は「恋のメッセージ」「吉報」「消息」
ギリシャ神話によると、女王ヘラの侍女だったアイリスは主神ゼウスからの浮気の誘いを断ったことでヘラに認められ女神になりました。この祝福の際にヘラがかたむけた盃からこぼれた雫からアイリスの花が誕生したと記されています。
「恋のメッセージ」「吉報」など便りを表す花言葉がついているのは、アイリスが女王ヘラの伝令を担う使者であることからだそうです。
アイリスの切り花、基本データ
分類:アヤメ科アイリス属
原産:ヨーロッパ・地中海沿岸
サイズ:50~70センチ程度
花サイズ:中・大輪
販売価格:150~300円
出回り時期:11月~5月
参考資料:花屋さんで人気の469種「花図鑑」