プリザーブドフラワーは、生花のような美しさを長期間楽しめる魅力的な花材です。しかし、適切な飾り方を知らなければ、せっかくの美しさを活かしきれません。
本記事では、プリザーブドフラワーを美しく飾るための基本ルールから、部屋別の効果的な配置方法、長持ちさせるお手入れテクニックまでを詳しく解説します。正しい知識を身につけて、お部屋を華やかに彩る花のある暮らしを実現しましょう。
プリザーブドフラワーとは?基本知識と特徴
プリザーブドフラワーは、生花に特殊な加工を施して水分を抜き、保存液に浸して作られた花です。「preserve(保存する)」という言葉が語源で、生花の美しさと質感を保ちながら、長期間楽しめる画期的な花材として注目されています。
生花を摘み取った直後の最も美しい状態で加工するため、自然な色合いと柔らかな手触りが特徴です。適切な環境で管理すれば2〜3年程度美しさを保つことができますが、温度・湿度・光の条件によって持続期間には個体差があります。
生花・ドライフラワー・造花との違い
各花材の特徴を比較してみましょう。
種類 | 美しさの持続期間 | 水やりの必要性 | 触感 | 価格 |
---|---|---|---|---|
生花 | 1〜2週間 | 必要 | 柔らかい | 安い |
ドライフラワー | 半年〜1年 | 不要 | パサパサ | 安い |
プリザーブドフラワー | 2〜3年程度※ | 不要 | 柔らかい | 高い |
造花 | 半永久的 | 不要 | 人工的 | 様々 |
※環境条件により持続期間は変動します
プリザーブドフラワーは生花の美しさとドライフラワーの手軽さを兼ね備えた理想的な花材といえるでしょう。
【参考記事】ドライフラワーとの違いをもっと詳しく知りたい方はこちら↓

プリザーブドフラワーのメリット・デメリット
メリット:
- 水やり不要で管理が簡単
- 花粉が出ないためアレルギーの心配が少ない
- 生花のような美しい色合いと質感
- 長期間楽しめてコストパフォーマンスが良い
- 枯れる心配がないため贈り物にも最適
デメリット:
- 初期費用が高い
- 湿度に弱く、適切な環境管理が必要
- 直射日光で色褪せしやすい
- 繊細で衝撃に弱い
プリザーブドフラワーを美しく飾るための基本ルール
プリザーブドフラワーの美しさを長持ちさせるには、環境選びが最も重要です。間違った場所に飾ると、せっかくの美しさが台無しになってしまいます。
避けるべき場所と環境
以下の場所は絶対に避けましょう:
湿度の高い場所
- 浴室や洗面所の近く
- キッチンのシンク周辺
- 加湿器の近く
- 湿度が65%以上の環境
直射日光が当たる場所
- 南向きの窓辺
- 屋外やベランダ
- 西日が強く当たる場所
温度変化の激しい場所
- エアコンの風が直接当たる場所
- 暖房器具の近く
- 外気の影響を受けやすい玄関ドア付近
最適な飾り場所の条件
理想的な環境は以下の通りです:
湿度: 30〜50%を保つ
温度: 18〜25℃の安定した環境
光: 間接照明や柔らかな自然光
風通し: 適度な通気性がある場所
部屋別・場所別の効果的な飾り方
リビング・ダイニングでの飾り方
リビングは家族が集まる空間なので、華やかで温かみのあるアレンジがおすすめです。
テーブルの上に小さなアレンジメントを置く場合は、食事の邪魔にならない高さ(15cm以下)に抑えましょう。サイドボードや飾り棚なら、高さのあるアレンジメントでも存在感を発揮できます。
色選びのポイントとして、インテリアの基調色と合わせるか、アクセントカラーとして使うかを決めましょう。ナチュラルインテリアには白やグリーン系、モダンインテリアには赤やピンク系が映えます。
寝室・個室での飾り方
寝室ではリラックス効果を重視した飾り方を心がけましょう。
ベッドサイドには小ぶりなアレンジメントを置き、安眠を妨げない優しい色合いを選びます。ラベンダーやブルー系の花材は、心を落ち着かせる効果が期待できます。
ドレッサーやデスクの上なら、鏡に映り込むことを考慮してバランスを取りましょう。個人の空間なので、好みの色や形を自由に選んで構いません。
玄関・エントランスでの飾り方
玄関はお家の顔となる重要な場所です。訪問者の第一印象を決める空間でもあります。
シューズボックスの上や下駄箱の横に飾る場合は、明るく華やかな色合いを選びましょう。黄色やオレンジ系の花材は、温かい印象を与えます。
ただし、玄関は温度変化が激しい場所でもあるため、直接外気が当たらない位置を選ぶことが大切です。
【参考記事】風水を取り入れた花の飾り方はこちら↓
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トイレ・洗面所での飾り方
湿度管理が特に重要な場所です。換気扇を回して湿度を下げる工夫をしましょう。
小さなスペースには、コンパクトなアレンジメントが適しています。清潔感のある白や薄いピンク系の色合いで、空間を明るく演出できます。
棚の上や窓際(直射日光が当たらない場合)に飾ると、狭い空間にも華やかさをプラスできます。
【参考記事】トイレの花飾りについて詳しくはこちら↓
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おしゃれに見える配置とインテリアコーディネート術
色合わせのポイント
同系色でまとめると上品で落ち着いた印象に、補色を使うと華やかで個性的な印象になります。
初心者の方は、まず2〜3色以内に抑えることから始めましょう。白やグリーンは他の色と合わせやすく、失敗が少ない色です。
インテリアとの調和を考え、お部屋の基調色に合わせるか、アクセントとして使うかを決めると統一感が生まれます。
高さと奥行きを意識したレイアウト
平面的な配置ではなく、高低差をつけることで立体的で動きのあるディスプレイになります。
複数のアレンジメントを飾る場合は、前後にずらして配置することで奥行きが生まれ、より豊かな表情を演出できます。
三角形の法則を意識して配置すると、バランスの良い美しいレイアウトが完成します。
器・花瓶の選び方
ガラス製の器は透明感があり、どんなインテリアにも馴染みやすいのが特徴です。陶器製なら重厚感があり、落ち着いた印象を演出できます。
アレンジメントの1.5〜2倍の高さの器を選ぶと、バランスが良く見えます。色は花材を引き立てるよう、シンプルなものを選ぶのが無難です。
プリザーブドフラワーを長持ちさせるお手入れ方法
日常のメンテナンス
週に1回程度、柔らかいブラシや筆で優しくホコリを払いましょう。強く触ると花びらが取れてしまうことがあるので、丁寧に扱うことが大切です。
直射日光を避け、風通しの良い場所に置くことで、色褪せや劣化を防げます。長時間同じ方向から光が当たる場合は、時々向きを変えて均等に光が当たるようにしましょう。
汚れやホコリの取り方
エアダスターを使えば、細かい隙間のホコリも効率的に除去できます。ただし、強すぎる風は花びらを痛める可能性があるため、適度な距離を保って使用してください。
静電気防止スプレーを軽く吹きかけると、ホコリの付着を防ぐ効果があります。
ただし、製品成分によってはダメージを与える可能性があるため、必ず目立たない部分で試してから使用してください。直接花にかけるのではなく、周囲にスプレーして間接的に効果を得ましょう。
保管・収納のコツ
長期間飾らない場合は、密閉容器に乾燥剤と一緒に保管しましょう。湿気を避けることが最も重要です。
直射日光の当たらない冷暗所での保管が理想的です。押し入れやクローゼットの奥など、温度変化の少ない場所を選びましょう。
季節感を演出する飾り方アイデア
春夏秋冬別のディスプレイ方法
春(3月〜5月)
桜のピンクや新緑のグリーンを基調とした、明るく希望に満ちた配色で演出しましょう。パステルカラーの花材を組み合わせると、春らしい軽やかな印象になります。
夏(6月〜8月)
涼しげなブルーや爽やかな白を中心とした、清涼感のある色合いがおすすめです。ガラスの器を使用することで、より涼しげな印象を演出できます。
秋(9月〜11月)
オレンジや深い赤、茶色系の温かみのある色合いで、秋の豊かさを表現しましょう。実物系のプリザーブドフラワーを取り入れると、季節感がより一層高まります。
冬(12月〜2月)
シルバーや深いブルー、白を基調とした上品で落ち着いた配色で、冬の静寂美を演出します。キャンドルと組み合わせると、温かみのある冬のインテリアが完成します。
イベント・行事に合わせたアレンジ
お正月には、金や赤を取り入れた華やかなアレンジメントで新年を迎えましょう。松や南天のプリザーブドフラワーがあれば、より和風で縁起の良い印象になります。
バレンタインデーは、深い赤やピンクの花材でロマンチックな雰囲気を演出。ハート型の器やリボンをあしらった装飾で、特別感を高められます。
クリスマスには、ゴールドやシルバーのアクセントを効かせた豪華なアレンジメントがぴったり。モミの葉のプリザーブドフラワーやオーナメントを組み合わせて、festiveな雰囲気を作りましょう。
プリザーブドフラワーのトラブル対処法
色褪せしてしまった場合
薄い色褪せであれば、直射日光を避けた場所に移動させることで、それ以上の劣化を防げます。専用のスプレーで色を補正する方法もありますが、自然な仕上がりにするには技術が必要です。
花びらが取れてしまった場合
取れた花びらは、専用の接着剤で元の位置に戻すことができます。ただし、無理に修復しようとすると他の部分も痛める可能性があるため、プロに相談することをおすすめします。
湿気で傷んでしまった場合
軽度の湿気ダメージなら、乾燥した場所でしばらく様子を見ましょう。カビが発生した場合は、残念ながら復旧は困難です。予防が何より重要になります。
より長く楽しむための上級テクニック
ローテーション展示
複数のアレンジメントを用意して、季節や気分に合わせて入れ替える方法です。使用していない間は適切に保管することで、それぞれをより長く楽しめます。
【参考記事】造花との使い分けについてはこちら↓
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ドライフラワーとの組み合わせ
プリザーブドフラワーをメインに、ドライフラワーやドライリーフを組み合わせると、より自然で豊かな表情のアレンジメントになります。質感の違いを活かした、奥行きのあるディスプレイが可能です。
【参考記事】ドライフラワーの作り方と組み合わせ方法はこちら↓

ライティングの工夫
間接照明やLEDライトを使用することで、プリザーブドフラワーの美しさをより引き立てることができます。暖色系の光は温かみを、寒色系の光は清涼感を演出します。
プリザーブドフラワーの購入時の注意点
品質の見分け方
花びらの厚みがあり、自然な色合いのものを選びましょう。触った時に柔らかさがあり、不自然にべたつかないものが良質です。
茎や葉の状態も重要なチェックポイント。しなやかさがあり、折れやすくないものを選ぶことで、長期間美しさを保てます。
信頼できる販売店の選び方
専門知識を持ったスタッフがいる店舗や、アフターケアサービスが充実している販売店を選びましょう。保管方法や取り扱いの説明を丁寧にしてくれる店舗なら安心です。
予算別おすすめの楽しみ方
予算 | おすすめの楽しみ方 | 特徴 |
---|---|---|
3,000円以下 | 小さなアレンジメント | デスクや棚に最適 |
5,000円〜10,000円 | 中サイズのブーケ | リビングの装飾に |
10,000円以上 | 大型アレンジメント | 特別な贈り物として |
【参考記事】花のある暮らしを始めたい方はこちら↓
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プリザーブドフラワーと風水
運気アップにつながる飾り方
玄関に置く場合は、明るい色合いの花材で良いエネルギーを招き入れましょう。リビングでは家族の絆を深めるピンク系、書斎では集中力を高めるブルー系がおすすめです。
避けたほうが良い配置
寝室の枕元に大きなアレンジメントを置くのは避けましょう。また、鏡の正面に置くと、エネルギーが反射して落ち着かないとされています。
まとめ
プリザーブドフラワーを美しく長持ちさせるには、適切な環境選びと日常のお手入れが欠かせません。
重要なポイント:
- 湿度30〜50%、温度18〜25℃の安定した環境で管理
- 直射日光を避け、間接光のある場所に配置
- 週1回程度の優しいホコリ取りでメンテナンス
- 部屋のインテリアとの調和を考えた色選び
- 季節やイベントに合わせたディスプレイで楽しさ倍増
正しい知識と愛情を持って管理すれば、プリザーブドフラワーは2〜3年程度の長期間にわたって、あなたの暮らしを美しく彩り続けてくれるでしょう。ただし、温度・湿度・光の条件によって持続期間には個体差があることも理解しておくことが大切です。
花のある暮らしで心豊かな毎日を過ごし、大切な人との特別な時間をより美しく演出してください。プリザーブドフラワーの魅力を存分に活かして、素敵なインテリア空間を作り上げましょう。