「切り花の元気がない、しおれてしまった」もう諦めるしかないのでしょうか?
いえいえ、まだチャンスはあります。お花屋さんでは当たり前にやっている水揚げの方法を試してみてください。
お花の茎を熱湯で煮てしまうという方法なのですが効果は絶大です!コツさえ知っていれば、ご家庭でも行うことができます。
今回は、お花を元気に復活させる水揚げの必殺技「湯上げ」についてお伝えしますね。
湯上げとは何?
お花を煮ちゃって大丈夫なの?
初めて聞くと、みんなビックリするよね!
湯上げとは、切り花の茎(切り口)を熱湯で煮ることです。とっても驚く方法ですが「湯上げ」は、いろんな理由でとても効果的な水揚げ方法なんです。
理由のひとつは、切り口の殺菌効果です。
熱湯によってバクテリアが死滅するので、導管からの水の吸い上げが改善されます。
もうひとつの理由は、茎の中に入った空気を取り除く効果です。
熱湯に茎を浸けることで、茎の中の余分な空気が泡になって出てきます。これによって、導管の中の空気が抜けて水が一気に吸い上げられます。
湯上げを実際にやってみよう
実は、菊の花が弱ってしまったんだよね(T_T)
あらまぁ大変!
コレも湯上げで元気になるのかしら?
花も葉っぱも水気がなくて、全く元気がない状態の菊の花です。実は、水に浸けるのを忘れてしまって何日も箱の中で放置されていたものです。
新聞紙に巻き、茎を切り戻す
新聞紙で巻くのは、熱湯で煮る際に高温の蒸気からお花や葉っぱを守るためです。また、葉っぱからの水分の蒸発を防ぐためでもあり、弱ったお花をもとに戻すときの基本でもあります。
茎の下の方に付いている余分な葉っぱは取り除き、茎の切り口は切り戻しておきます。
これで湯揚げをする準備は完了だよ。
それじゃぁ、お湯を沸かすわね!
熱湯に茎を浸けて煮る
お湯の深さは3センチ位あれば十分です。沸騰したお湯の中に、茎の切り口を20~40秒程を目安に浸けて煮ます。
これで、茎の中の余分な空気が抜け出ると同時に、切り口を殺菌することができます。
本当に煮ちゃうのね!
ちょっと可哀想な気もするけど効果は抜群なんだ\(^o^)/
素早く水に浸ける
茎を煮終わったら、素早く水に浸けてください。このときの水は特別冷たいものではなく常温の水道水で大丈夫です。
水の深さは出来るだけ深いほうが効果的なので、大きめの花瓶やバケツを用意しておきましょう。巻いてあった新聞紙は、水が上がるまではそのまま巻いておいてください。
これで元気になったのね!
もう少し待ってね。
しっかり水が揚がるまで2~3時間はかかるからね。
2時間後、水の揚がった菊の花
随分と元気になりました。特に弱った花には湯上げは効果的です。また、即効性があるのも湯上げの特徴です。
わぁ~ 本当に元気になったわね\(^o^)/
湯上げって凄いのね!
最後にもうひとつやっておくことがあるんだ。
煮た部分を切り戻す
写真のように、茎を煮た部分は変色しているはずです。この部分を切り戻す作業が最後のステップです。
煮てしまった部分の導管(水を吸い上げるための管)は傷んでしまいますから、新しい切り口にしてあげる必要があります。
また、この状態の茎をそのままにしてしまうと、バクテリアの発生も助長してしまいます。
せっかく元気にしたお花でも、この最後のひと手間をサボってしまうと後の花持ちが違ってきますから必ず行ってくださいね!
湯揚げに適する花材、適さない花材
ほとんどの種類のお花に効果がある湯上げの方法ですが、なかには湯上げが適さない花材もありますから覚えておいてくださいね。
チューリップやスイセンなどの球根植物、カラーなどの茎に水分が多いものなどは湯上げは逆効果のようです。
コスモスやマーガレット・ヤグルマソウなどの草花には湯上げは効果があります。菊の仲間なども効果が大きいようです。
また、ブルースターなどの切り口から樹液が出てきて導管を塞いでしまう種類には湯上げの効果は大きいです。
まとめ
「お花を熱湯で煮てしまう」って聞くと、驚いてしまうかもしれません。
ところが、この「湯上げ」は弱ったお花を元気にする際には効果が大きい水揚げ方法です。また、大量のお花を処理するお花屋さんでは日常的に行われています。
湯上げの方法は以下のステップでしたね。
- 新聞紙でお花を包む
- 熱湯に20~40秒浸ける
- 素早く水に浸ける
- 切り口を切り戻す
ご家庭でも簡単にできますので、飾ったお花が弱ってしまったときの為に覚えておいて損はない方法です。