せっかく手に入れた素敵なお花、出来るだけ長持ちさせて飾りたいと思いますよね。
でも、「どうすれば長持ちするのか分からない」という声をよく聞きます。
今回は、そういう声にお答えするために切り花を長持ちさせる方法をまとめました。
必ずやるべき基本は3つ
切り花を長持ちさせる方法はたくさんあるのですが、ご家庭で飾るときに必ずやったほうがいいことは、たったの3つしかありません。
この3つさえ押さえておけば、花の持ちは格段に違ってきます。どれも難しいことではありませんから「お花を綺麗に楽しむ」為に覚えておいてくださいね。
基本1:茎の切り口を切り戻す
切り花を長持ちさせる為に最初にやるべきことが水揚げです。
水揚げとは、茎をハサミなどで切って切り口の断面を新しくキレイな状態にすることです。
よく切れるハサミを使って斜めに切ってください。また、深めに貯めた水の中で切る「水切り」をすれば、より効果があります。
根っこのない切り花では、必要な水分は茎の切り口から吸い上げることになります。切り花を長持ちさせるには、切り口の状態を良好に保つ必要があるんです。
買ってきたばかりの切り花の切り口は乾いてしまっていることが多く、茎の内部に空気が入ってしまっています。また、バクテリアの繁殖などで汚れている状態です。
茎に入り込んだ空気やバクテリアなどの汚れが原因で、水の吸い上げが悪くなってしまうんです。
基本2:キレイな水に生ける
茎を切り戻した切り花は、キレイな水に飾りましょう。
水揚げが終わって切り口がキレイになった切り花も、汚れた水に生けたのでは意味がありません。飾る花瓶もキレイに洗ってから使いましょう。通常は普通の水道水に生ければ大丈夫です。
また、飾った後もできれば毎日水換えをして新しいキレイな水に取り替えたほうがいいですね。
基本3:飾る場所(環境)に気をつける
次に大切なのは飾る場所です。
高温になる場所やエアコンの風が直接当たる場所は避けてください。
高温もエアコンの風も、どちらも切り花から水分を蒸発させてしまいます。水を吸い上げる量よりも葉っぱなどから蒸発してしまう量のほうが多くなってしまうと切り花はしおれてしまいます。
また、切り花には直射日光は必要ありません。温度が高くなってしまいますから直接日の当たる場所も避けてくださいね。
できればやっておきたい応用編は5つ
上記の基本を守れば切り花は永く楽しむことができます。
しかし、追加で行えば尚良いと思われる方法をまとめました。切り花を長持ちさせるために覚えておいてくださいね♪
応用1:余分な葉っぱや蕾をとる
水に浸かる部分の葉っぱは取り除いておかないと水が腐る原因になります。
また、根っこのない切り花では、小さすぎる蕾は咲かないことが多いので取り除いたほうが長持ちします。小さな蕾自体も可愛らしい存在ですから、そのまま飾るという選択ももちろん有りなのですが…
但し、花屋さんで購入してきた切り花であれば、この処理はほとんど済んでいると思われます。
応用2:水換えとともに茎の切り戻しをする
購入時に切り戻した切り口も、時間の経過とともに傷みが出てきます。こまめに切り戻しをやり直すといいでしょう。水を換えるタイミングで一緒に切り戻すのがいいですね。
毎回数センチづつ切り戻していくと、当然茎の長さが短くなってしまうわけですが、違う花瓶に交換したり合わせるお花の種類を変えるなどして変化を楽しむのも面白いですよ。
応用3:切り花用の延命剤(鮮度保持剤)を使う
切り花を長持ちさせる延命剤(鮮度保持剤)があるのをご存知でしょうか?
植物が生きていくためには、お水だけではなく栄養分も必要になります。鉢物や畑で植物を育てるときでいうと肥料に当たるのがこの延命剤です。
また、お水が汚れるのを防ぐ成分や水揚げを促進させる機能もあるんです。水換えの回数を減らせるので管理の手間も省けます。
お花屋さんでお花を購入すると一回分の小袋をオマケでつけてくれることもありますね。
いろんなメーカーの商品があるのですが、多くの花屋さんでも使われているのがコチラの「クリザール」です。常にお花を飾るようならば一本持っていれば便利ですね。
応用4:エチレンガスに注意する
エチレンガスとは成長を促す植物ホルモンです。老化促進ホルモンともいわれ、切り花が早くか枯れてしまう原因のひとつです。
キウイフルーツなどをリンゴと一緒に置いておくと早く熟すというのは、このエチレンガスの影響です。
エチレンガスは熟した果物だけでなく、車の排気ガスやストーブなど物が燃えるときにも発生します。
切り花を飾るときは、エチレンガスの影響を受けないように果物やストーブの近くなどは避けて飾りましょう。
また、お花が枯れるときにも同じようにエチレンガスが発生するので、枯れて傷んだお花は早めに取り除くようにしましょう。
応用5:お花のある生活を楽しみましょう
笑顔の絶えないポジティブな空間に飾られたお花は、とても長持ちしてきれいに咲いてくてます。
「突然何言ってるの?」と思うかもしれませんが本当の話です! 喧嘩ばかりしているお部屋に飾られたお花がスグに枯れてしまった…ということも実際にありますので。
人もお花も同じ生き物です。過ごしやすい場所というのは、温度や湿度などの物理的なものだけではないんですね。
水揚げの裏技
買ってきたばかりの切り花には水揚げが必要です。
通常の水揚げは「水切り」で十分なのですが、弱ってしまったお花や種類(例えば枝物など)によっては水切り以外の方法が有効なことがあります。
弱った花は新聞紙でくるんで休ませる
元気が無くなったお花は「水分が不足した状態」です。
余分な水分の蒸発を防ぐために新聞紙で包んで、半日ほど涼しい場所に置いて休ませてあげましょう。
湯揚げは水揚げの最終手段
弱ったお花を元気にする方法として「湯揚げ」という方法があります。
その名の如く、茎の切り口から数センチほどを熱湯の中に20秒ほど入れて煮てしまうんです。これで切り口の殺菌と導管の中の空気の除去ができるんです。
大量のお花を扱う花屋さんの現場では頻繁に行われている方法です。
樹液の出る切り花の水揚げ
ブルースターやユーフォルビア、フウセントウワタなど、切り花の種類によっては切り口から白いネバネバした樹液が出てくるものがあります。
この樹液が茎の中の導管(水を吸い上げる管)を塞いでしまい、水の吸い上げを妨げてしまいます。
この樹液を止めるには「湯揚げ」するのが効果的なのですが、数本の切り花でしたらティッシュなどを使って樹液が止まるまで拭き取ればOKです。
茎が太く硬い枝物などは叩いて水揚げ
枝物特有の水揚げ方法がいくつかあります。
太くて硬い枝物は、通常の切り花用のハサミでは切るのが難しいので・ハンマーで叩く・縦に割る・表皮を剥くなどの方法で水揚げをします。
番外編
巷の噂話やネット上の情報などを見ると「切り花を長持ちさせる方法」として様々な方法がつぶやかれています。
お花を買いに来るお客様からも尋ねられることが多い方法をいくつかご紹介します。
水に漂白剤(ハイター)・洗剤を入れる
水の汚れを防ぐための方法です。
漂白剤などを数滴垂らすことでバクテリアなどの繁殖を防ぐ効果を期待するものでしょう。
水に10円玉を入れる
コチラも水の汚れを防ぐ目的ですね。
10円玉から溶け出す銅イオンの作用でバクテリアの繁殖を防ぐ効果があるかもしれません。
水に砂糖や炭酸飲料を入れる
糖分は切り花が生きていくために必要です。
お水に砂糖を少量加えたり、糖分入りの炭酸飲料に直接いけることで切り花の栄養補給を期待するものですね。
まとめ
今回の記事で、切り花を長持ちさせる方法をたくさんお伝えしてきました。
でも、ご家庭でお花を飾って楽しむときには3つの基本だけ覚えておいてください。
- 茎の切り口を切り戻す
- キレイな水に生ける
- 飾る場所(環境)に気をつける
これだけ注意して飾ってくれたら、お花は充分長持ちしますので…♪
あっ! 後、笑顔と感謝も忘れずにお願いしますね。
「綺麗に咲いてくれてありがとう」って…
これで、お花たちはより一層ガンバって咲き続けてくれますよ\(^o^)/